手術は、がん治療の中でも、もっとも広く行われています。
内視鏡による手術については、以前にお話したので、今回はメスを使用する手術について説明します。
「機能温存手術」という手術法は、これまでリンパ節切除などのため切除されていた神経や臓器などを温存し、手術後の障害をなるべく少なくしようという方法です。この機能温存手術にあたるものが、胃癌における迷走神経温存胃切除や、幽門保存胃切除などです。
他に、「センチネルノード・ナビゲーション・サージェリー」という手術法がありますが、これは聴きなれない手術法ではないでしょうか。いかにも難しそうな専門的な名前です。センチネルノードとは、一番最初にがんが転移するリンパ節のことです。この手術法は、放射性元素や色素を用いて、手術中にリンパ節を探し、そして切除するものです。従来は、周辺のリンパ節を全部切除していたのですが、センチネルノードがわかれば、それ以外のリンパ節は切除しなくてもよいと言われています。
しかし、現実にこれを100パーセント診断することはかなり難しく、今のところまだ研究段階です。
手術といっても、単にがん部分を切除するだけでなく、さまざまな手術法が研究されています。手術もまたがん治療のひとつとして重要であるということを覚えておいてください。
前回につづいて、内視鏡によるがん治療のお話をします。
このがん治療は、早期発見された胃や腸のがんに最適だと思いますので、是非多くのかたがたに知っておいていただきたいと思います。
いくつかの種類が内視鏡治療にはありますが、まず「腫瘍組織破壊法」というものを説明します。
これの治療法は、がんを切除しないで、焼却することで消滅させるというものです。具体的は、レーザー照射法、アルゴンプラズマ凝固法、光線力学的治療、マイクロ波凝固法などの治療法があります。
「局所注入療法」という方法は、がんの部分に抗がん剤やエタノールなどを注射して、がんが縮小することを期待するものです。
がんを内視鏡で切除する一般的な方法が「粘膜切除術」です。胃カメラや、大腸ファイバーを用いて行い、患者にとってはかなり負担の少ない治療法です。しかし、かなり高いレベルの内視鏡の技術が必要ですので、経験豊富で適切な医師を見つけなければなりません。
「消化管狭窄拡張術」という治療は、直接的ながん治療ではなく、バルーンという風船状の物を使い、消化管の狭くなっている部分を広げたり、さらに広げた後にステントと呼ばれる管状のものを挿入して拡張を維持したりすることで、食事を食べられるようにするなど、症状を軽減させるものです。がんのために消化管が細くなり、食事が通らなくなっているような場合に行われる治療法です。
近年、注目を集めているのが、内視鏡を使った治療です。がん治療においても、やはり内視鏡による治療が人気のようです。
その理由としては、内視鏡を使った手術は傷口が小さくて済みますし、がんに侵された臓器を大きく切除することもないので、がん患者の負担が軽いということがあります。そうすると、患者さんもラクだし、入院期間も短くなるので、経済的にも助かります。
ただし、内視鏡を使った手術で、100パーセントの成功が望めるのは、早期発見されて粘膜部分に留まっているがんの場合のみです。粘膜の下層までがんが浸潤している場合には、転移の可能性が出てきます。粘膜の下層に通っているリンパ管や血管によって、がんが全身に転移する可能性があるのです。ですから、粘膜下層への深い浸潤がある場合や、転移が疑われる場合には、内視鏡を使った手術ではなく一般的なメスを使用した手術を行うことになると思います。
けれども、大きな手術を避けて、内視鏡による手術のみを望む場合もあります。患者が高齢であるとか、他の病気もあって衰弱しているなどの場合です。そのあたりは、担当の医師とよく相談して決めなくてはなりません。
また、内視鏡を使用したがん治療は、胃や腸などの消化器官や甲状腺、乳がんなどにおいて行われる治療であり、どの部位でも出来るというわけではありません。
ワクチン療法についてですが、少し年配のかたなら、「丸山ワクチン」という以前、がんの治療薬として脚光を浴びたワクチンをご存じだと思います。現在でも丸山ワクチンを使用したがん治療を希望するかたはけっこういらっしゃいます。
人型結核菌青山B株の熱水抽出物を精製したもの丸山ワクチンというのですが、これだけでは、難しくて何のことだかわかりませんよね。
そもそも開発された当初は、皮膚結核や、ハンセン氏病の治療薬でした。このワクチンは丸山千里というかたが開発したので、その姓を取って丸山ワクチンというわけです。
しかし、この丸山ワクチンは、抗がん剤としての認可を厚生省から受けていません。がんに対して効果があるということを認められ、さらに副作用も許容範囲であると確認された薬剤が認可を受けるのですが、丸山ワクチンにはその認可がありません。
病院でがん治療をする場合は、認可を受けているワクチンが使用されるので、丸山ワクチンは簡単に誰でも治療に使用できるわけではないのです。ただ、丸山ワクチンは放射線療法による白血球減少抑制剤として認可を受けていることを書き加えておきましょう。
今となっては、どうして一時的にしろ脚光を浴びたのかはよくわかりませんが、当時としては新しい発見だったのかもしれません。
さて、樹状細胞を用いたワクチン療法は、最新のワクチン療法で、現在研究中です。
この治療法は、がん抗原を提示させた樹状細胞を注入し、リンパ球を活性化して、がんに特異的な免疫反応を起こさせるというものです。
最新のがん治療の中に、免疫療法という治療法があります。
インフルエンザの流行などによって「免疫」という言葉は、よく耳にすると思います。免疫とは、体に入ってきた異物を攻撃して、排除しようという作用のことです。その作用を利用した治療法が免疫療法です。つまりこの治療法は、がん細胞を異物とみなして、攻撃してしまおうというものなのです。
理論的には、素晴らしいがん治療法なのですが、実際にこの作用だけでがん細胞を消滅させるのは非常に困難なのです。もちろん、この分野も研究がすすめられているので、日々進歩はしてゆくと思います。
たとえば「サイトカイン」という免疫応答を増強する働きを持つ物質を用いた「サイトカイン療法」という治療法があります。
このサイトカインを投与することによって、腫瘍に対する免疫を強化しようというものです。
「インターフェロン」がこれにあたるのですが、聞いたことがあるかと思います。
また、「モノクローナル抗体」という抗体を用いた免疫療法は、がん細胞に反応して生産される抗体を利用し、がん細胞を死滅させるというものです。こちらもまた副作用などの問題があり、現状ではあまり普及していません。
「養子免疫療法」という治療法は、がん患者の血液から免疫細胞を抽出し、サイトカインとともに培養することで、活性化キラー細胞を誘導します。それを再び、がん患者の身体に戻し、がんに対する免疫反応を期待するというものです。残念ながら、充分な治療効果は得られていないということです。
抗がん剤治療は、がんの治療法の中でもよく耳にする治療法だと思います。
手術以外のがん治療方法としては、一番広く普及している方法かもしれませんね。
けれども、人によっては治療のたびに吐き気などで気分がすぐれなかったり、髪の毛がごっそり抜けおちたりするなど、大きな副作用があることも事実です。それなのに、100パーセントの効果が得られるものではなく、40~50パーセントぐらいの効果しかありません。それでも約半分の効果が出るので、多くの医師や患者は、やらないよりはやった方が良いと考えるのです。
現在のところ、がん治療における化学療法といえば、この抗がん剤治療のことを言います。当然、効果を高めるための研究は日々すすめられています。
たとえば、がん細胞を切除したものを用い、さまざまな抗癌剤に対する感受性などを調べる抗癌剤感受性試験があります。そして、感受性の高い抗癌剤の使用によって、抗癌剤の効果を高めようという方法です。
けれども、現在のところ、まだ、延命効果に対する客観的、もしくは科学的根拠に乏しいということで、一般には広く行われていません。
人間の遺伝子に関する研究によって、新しい抗がん剤が開発されることも期待されています。いつの事になるかは、まったくわかりませんが、将来、抗がん剤治療などによってがんが完治出来るようになるかもしれません。
放射線治療は最新のがん治療と言われるもののひとつです。最新治療といっても、放射線治療は以前からありました。「コバルト」というふうに以前は呼ばれていました。放射線治療は全てのがんに有効なわけではありませんが、ある種のがんには有効なので現在も続けられています。
放射線治療には、、数種類の治療法があるのですが、まず「放射性同位元素」について説明します。
これは、身体に放射線を発生する元素を注射するという方法です。そして、その元素をがんの組織に集積させ、がん部分に放射線を照射するのです。甲状腺のがんに対して大変有効な方法で、今後、他の部分に対しても同じように治療できないか研究がすすめられています。
一般に使用する放射線はγ線ですが、「粒子線治療」という方法では異なる粒子線を使用します。この方法では、身体深部のがんに多くの量を照射出来るうえに、表面の組織はほとんど被爆しないというメリットがあります。しかし非常に高価なので、一般の病院にはまだまだ広く普及はしていません。
「三次元原体照射」という方法は、CTなどで得た三次元画像を利用すし、、三次元の方向から放射線を照射するものです。
正常組織への照射量を減らし、さらにがんの組織には多くの量を照射出来るというメリットがあります。
「ガンマナイフ」と呼ばれる転移性脳腫瘍などに用いられる方法も、これに当たります。
現時点におけるがん治療、そして最新のがん治療を紹介しようと思います。
しかし、最新のがん治療というのは広く一般に知られている治療法ではないということをまずご理解ください。最新の中でも最先端の治療法というのは、まだ広く浸透していないものです。広く知られた時点で、それはもう最先端であるとは言えないのです。聴いたこともないような治療法や、まだ研究段階の治療法もあります。もちろん、どこの病院でも行っているものではありません。そして、そのような治療法のほとんどは全額実費になります。そういう部分をご理解されて、先を読んでくださいね。
まず遺伝子治療が最新のがん治療のなかで話題となっています。
最新といっても、もうずいぶん以前から、人間が遺伝子の部分に手を加えることが可能な時代に入っています。
そして、遺伝子の異常によってがんが発生するということも解っているので、遺伝子治療に注目が集まっているのです。がんを治療するために遺伝子の異常を修復しようということです。
ところが、まだまだがんの遺伝子には、わからない点が多いということがあります。臨床応用はまだまだ・・・という段階です。その理由は、複数の遺伝子異常がある場合や、がんは転移して全身に広がる可能性が高いのに、現在はまだ全身の遺伝子治療が不可能であること、そして、遺伝子を修復してもがんの症状の改善が見られない場合があることなどです。
誰でも、がんは怖い病気だということは知っています。けれども、どのような病気であるのか具体的に知っているかたはあまりいないのではないかと思います。
多くの方が持っているイメージは、細胞が次々にがんにやられて死んでゆくというようなものではないでしょうか。実際、そのようなイメージは間違っていることはありません。本日は、もう少し詳しくがんという病気について説明してみたいと思います。
人間の細胞というものは、分裂しすぎたり増殖しすぎたりすることがないよう制御し、その数を一定に保つにように働いています。しかし細胞のその制御がきかなくなり、無限に増殖するようになってしまって、増殖し続けて出来あがった異常な細胞集団が悪性腫瘍なのです。どんどん増殖してゆくので、それがどこの臓器に発生したとしても、臓器は正常に働くことが出来なくなります。
また、がんは全身に転移し、ありとあらゆる臓器が正常に働けなくなります。そうすると生身の人間の身体は、どんどん消耗していき、ついには死に至ってしまうのです。
しかし、がん治療は日々、明らかに進歩しています。もしも、あなたががんと診断されたとしても、現在ではそれは死を意味するものではありません。ただし、少しでも早く発見することが大切です。今まだがんと診断されていないかたは、がん治療について考えるより以前に、きちんと定期健診を受けるようにしましょう。
現在とても怖れられている病気のひとつが「がん」と呼ばれる病気です。
「がん」は、早期発見すれば治る可能性が高くなりますが、発見が遅れると死に至る可能性も高い病気です。
「がん」が怖れられている大きな原因は、現在のところ、こうすれば必ず治る・・・というような決定的な治療法がないということだと思います。
悪性腫瘍という呼ばれかたもがんにはあります。
ポリープなどは、良性の腫瘍ですが、悪性の腫瘍の場合はほとんどががんを指します。
「がん」とひらがなで書くときは、一般的に悪性腫瘍全般(肉腫を含む)を指して言うことが多いのですが、このことはあまり知られていないことかもしれません。反面「癌」と漢字を用いるときは、本来は乳がんのことを指すと言われています。
しかし、ひらがなでも漢字でも、悪性の腫瘍であることには変わりはありません。
がんには、決定的な治療法がまだないといいましたが、それでも、がん治療の技術は、以前よりはるかに進歩しています。
一般的な治療法としては、がんの範囲をそれ以上広げないようにしたり、がんになってしまった細胞そのものを殺してしまったり、以前からありますように、がんに侵された部分を手術によって切除したりするものがあります。
このブログでは、がん治療など、がん関係のことについて書いていきたいと思っています。現在、がんと診断されて絶望的になっていらっしゃるかたや、もしかしたら自分はがんではないかと心配をしているかたの少しでも役に立つことができればいいなと思います。